無料で読める家庭の医学 病気・疾患の解説、英語名、原因、症状、診断法法、治療方法、処方例などをわかりやすく記載
家庭の医学

循環血液量過多症じゅんかんけつえきりょうかたしょうhypervolemia
多血症たけつしょうpolycythemia


■概要・原因:
循環血液量過多症(多血症)とは、心臓と血管を流れる血液全体(肝臓や脾臓に貯留されている分を除く)の赤血球の絶対量が過剰であったり、循環血漿量circulating plasma volume(じゅんかんけっしょうりょう)が減少したために相対的に赤血球の割合が多くなってしまう病態を言います。いずれもヘマトクリットhematocrit;Ht(Hct)*の値が高く出ます。

尚、真性多血症(真性赤血球増加症)とは前者の赤血球の絶対量の過剰を指す場合で、かつ骨髄増殖性疾患が関係しているものです。その他の原因では腫瘍などからのエリスロポエチンerythropoietin過剰による二次性赤血球増加症があります。
別の原因では輸液や輸血の量が過剰な場合にも生じます。

*このヘマトクリットとは、体内から取り出した血液をヘマトクリット遠心器 hematocrit centrifugeにかけて血球成分と血漿成分に分けたとき、全血液に対しての血球成分の割合をパーセントで表したものです。一般的には通常成人の男性で平均約45%、女性で平均約40%になります。この平均値より上下約5%程度までが標準値に収まります。また、この血球成分の殆どは赤血球です。



■症状:
真性多血症の場合、顔面紅潮、頭痛、目眩(めまい)、入浴後の皮膚掻痒感、出血、 口唇や指のチアノーゼ様暗赤色変などを起こします。



■診断・治療:
ヘマトクリット値が50%以上でかつ総赤血球量が男性で36mL/kg以上、女性で32mL/kg以上、動脈血酸素飽和度が92%以上、脾腫である場合真性多血症と診断されます。また、脾腫がみられなくても血小板数が40万/μL以上、白血球数が1.2万/μL以上、更にその他の項目の内二つ揃えば確定します。

●瀉血しゃけつ〔放血(ほうけつ)〕療法(りょうほう)blood letting:
血栓症がなく、緊急性がある場合は条件が揃えば瀉血療法も用います。 週に1-2回静脈切開して、毎回200-300mLの瀉血を行います。

●骨髄抑制療法(こつずいよくせいりょうほう):
瀉血療法が困難な場合、この骨髄抑制療法を用います。これは抗ガン剤を使用し、下記のいずれかで始めます。
・ヒドロキシカルバミド(ハイドレアカプセル500mg)1-2カプセル。分1-2。
・ブスルファン(マブリン散 1%)1-2g。分1。
・ラニムスチン(注射用サイメリン50mg)点滴静注。






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