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白血病の治療: 造血幹細胞移植stem cell transplantation(SRT)



●造血幹細胞移植はその細胞源によって移植方法が異なる:
白血病治療の他、先天性免疫不全症や再生不良性貧血などの疾患に対して造血幹細胞を補完する場合にも行われます。

・骨髄移植:造血幹細胞は骨髄中にあり、血液の中にある赤血球、白血球、血小板の3種類の血球の供給源となっています。そのため骨髄移植と呼びます。

・末梢血造血幹細胞移植:体内にくまなく行き巡らされている末梢血管の中を循環しているのが末梢血で体中に種々の栄養素や酸素の供給を施しています。それに伴って幹細胞も循環していますがその量は普段は骨髄の約1%程しかありません。

それが抗がん剤など特殊な薬をを投与した後、造血回復期には一時的に末梢血液中へ造血幹細胞が骨髄と同程度まで流れ込みます。それが末梢血造血幹細胞と呼ばれていて、そこから移植する方法です。この方法は今後次世代において骨髄移植の代替方法として注目されています。

・臍帯血移植:出産時の胎盤から採った血液、つまり臍帯血(さいたいけつ)にあるものについては臍帯血幹細胞と呼び、その移植をする方法です。しかし幹細胞数が少ないため小児に限定するのが普通です。



●移植には組織適合抗原型の一致が必要・移植片対白血病効果
造血幹細胞移植は患者と提供者の血液型が問題ではなく、組織適合抗原型の主要なものであるHLA(ヒト白血球抗原)が患者のものと一致する45歳以下の家族(血縁ドナー)がいれば、患者が40歳以下で合併症などがなければこの治療を行う事が出来ます。 家族で存在しない場合には骨髄バンクから35歳以下のドナーが見つかれば(非血縁ドナー)行うことが出来ます。
尚、年齢基準は絶対的なものではありません。

移植を行うとドナーのリンパ球が患者の白血病細胞(腫瘍細胞)を攻撃する、移植片対白血病効果が生じます。
*移植片:臓器移植の際に使用する臓器や組織全般を指す。ここでは造血幹細胞のこと。

●移植片対宿主病
しかし組織適合抗原型はいくつもあって完全に適合するわけではないために免疫反応が必要以上に強く起こり、ドナーのリンパ球が患者の正常な組織をも破壊してしまいます。 それが移植片対宿主病graft-versus-host disease(GVHD) です。 これが家族のではなくて非血縁者ドナーに頼らざるを得ない場合に、HLAの型の差が大きいぶんだけ 強く生じてしまいます。

このGVHDがひどくなると致死的なものですのでそれを抑えるために免疫抑制剤を用いますが、そのため正常の免疫作用も低下して免疫不全を引き起こし、主として肺胞壁を病変部とする間質性肺炎interstitial pneumoniaなどの合併症が起きたりします。 それでこの治療法も万能ではなく、移植後一年以内に20%近くの患者が肺炎など移植関連の合併症死亡しています。
それでどちらか選択肢がある場合にもその時の症状や環境で慎重に選択しなければなりません。



造血幹細胞:hematopoietic stem cells   移植:implant    骨髄移植:bone marrow transplantation
臍帯血:cord blood   幹細胞:stem cell   ドナー:donor    末梢血:peripheral blood   移植片:graft
末梢血管:peripheral vascular system    末梢血管細胞移植:peripheral blood stem cell transplantation;PBSCT
組織適合抗原:histocompatibility antigen    移植片対白血病効果:graft-versus-leukemia effect;GVL effect






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