無料で読める家庭の医学 病気・疾患の解説、原因、症状、診断方法、治療方法、処方例などをわかりやすく記載
家庭の医学


アミロイド・アミロイドーシスamyloidosis(E859)


■概要と原因:
アミロイドーシスとは繊維状の特異タンパク質であるアミロイドという物質が全身の臓器や血管、組織の細胞外に沈着して臓器障害を起こす代謝性疾患の総称です。アミロイド繊維は径8-10nmで分解されにくく不溶性 の性質があります。全身性と限局性に大別されます。1853年ウィルヒョーによって命名されました。

*ウィルヒョーVirchow,Rudolf Ludwing Karl:1821-1902ドイツの病理学者(ベルリン大学病理学主任教授)。政治家(下院議員)でもあり人類学者(1868年ドイツ人類学会創設者・初代会長)でもある。細胞病理学を 樹立。ウィルヒョー結節(胃癌の転移などで左鎖骨上窩リンパ節が腫大したもの)などの病名がある。

全身性:免疫細胞性アミロイドーシス、反応性AAアミロイドーシス、家族性アミロイドーシス、透析アミロイドーシス、老人性アミロイドーシス
限局性:脳アミロイドーシス、内分泌アミロイドーシス、皮膚アミロイドーシス、限局性結節性アミロイドーシス、角膜アミロイドーシスがあります。



■症状:
沈着し障害をおこす部位によって様々です。
一例として透析アミロイドーシスの場合は慢性透析患者にみられ、骨・関節症状を主徴としています。 手根管症候群(CTS)では手足のしびれや疼痛から始まりばね指、肩関節周囲炎、進行すると 親指球の筋萎縮などもおこります。更にのう胞性病変、破壊性脊椎症も生じます。



■診断・治療例:
確定診断としてコンゴ赤染色などの組織生検が行われます。
●全身性アミロイドーシス
1.免疫細胞性アミロイドーシス:
メルファラン-プレドニゾロン療法
自家造血幹細胞移植を併用した大量化学療法も行われます。

2.反応性AAアミロイドーシス
急性期蛋白SAA(SERUM AMYROID a)の産生を低下させる。 症例によりシクロホスファミドの使用も有効です。

3.透析アミロイドーシス
β2ミクログロブリン(BMG)を血液中から除去させる。高機能膜を用いた透析。BGM吸着 カラムの併用。血液濾過透析(HDF)など積極的に行えますが根本的治癒にはなりません。 更に内視鏡手術などによる手根管開放術・滑膜切除術などの外科的処置や、 もっとも病気の進行を抑制させるのに有効な腎移植も行います。
薬を用いる場合、ロキソニン錠、モービック錠10mgカプセル(メロキシカム)、ボルタレン坐薬25・50mg、 プレドニン錠5mgのいずれかを使用します。

4.家族性アミロイドーシス
肝移植などが行われます。

●限局性アミロイドーシス
脳アミロイドーシスではアルツハイマー病の治療、2型糖尿病では 糖尿病の治療のページからご確認下さい。



(日英対語)
アミロイド:amyloid  アミロイドーシス:amyloidosis  繊維状:filamentous
タンパク質:protein  代謝性疾患:metabolic disease  全身性:systemic
限局性:localized  透析アミロイドーシス:Dialysis-related Amyloidisis:DRA
手根管症候群:carpal tunnel syndrome(CTS)



  HOME