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家庭の医学

膵癌(すい臓がん)pancreatic cancer


■概要:
膵癌(すい臓がん)とは膵臓から発したがんで、膵臓は胃の後部にあり長さが20cm程の細長い形をしています。 膵臓は膵液と呼ばれる外分泌の消化液を作ったり、血糖を調節する内分泌のインスリンやグルカゴンなどのホルモンを作る働きをします。→膵臓とインスリンを参照してください
内分泌のホルモンはは血中に分泌されて行き、外分泌の膵液は肝臓で作られた胆汁とともに十二指腸へ流れていきます。

膵がんは上皮性と非上皮性に大分類されますが、殆どは上皮性の浸潤性膵管癌に罹っていて、通常膵がんと呼ばれる時はこのがんを指していて通常型膵癌とも呼ばれています。 国内においての膵がんによる死亡数は年間19.000人を超えており増加の一途です。60歳代に多くみられますが40歳以下にも増加傾向があります。通常の健康診断を受けていても膵臓は周囲が他の臓器で囲まれているために2センチ未満の小膵癌の場合、その発見が困難でありまた早い段階での症状も出ませんので判った時には手遅れに近い状態になってしまいます。



■症状:
特徴的なものはなく、腹痛、腰背部痛、食欲不振などに表れるようです。 またがんの進行によっては胆管が詰まることがあり、その場合には黄疸の症状も現われます。



■診断:
まず超音波による断層映像や内視鏡、レントゲン検査などで消化器の異常の有無を調べます。更にはCTによるX線断層映像やMRIによる磁気共鳴原理を利用した断層映像による検査が行われます。 EUS並びにERCPなどの内視鏡による精密検査もありますが、患者の負担が高いため最近ではMRIの改良型とも言うべきのMRCPという技術も生まれています。

病期は日本膵臓学会では4段階に分類されていて、がんの大きさ、程度、転移の有無などで 診断されます。UICCによる分類もあり、同じく4段階に分けられていますが、内容や基準に若干の違いがあります。



■治療:
●外科療法:
治療の主流をなす方法でがんの部分を切り取りますが、切除の箇所はがんの部位によって異なってきます。 また治癒切除が不能になっている場合には消化管のバイパス手術で食事が出来る ようにしたり、胆道バイパス手術によって黄疸を抑えることが出来ます。
予後は芳しくなく、切除後の5年生存率は18%程度になります。

●薬による化学療法の処方例(保険適用):
ジェムザール注射用1g 1g1瓶 1回1,000mg/m2 30分点滴静注
週1回 3週連続投与 1週休薬のコースの繰り返しを行う。(ゲムシタビン塩酸塩)
加えて効果を増すために5-FU注、プラトシン注、トポテシン注、ティーエスワンカプセルなどを併用して臨床試験が行われています。

●放射線化学療法:
放射線療法を行う場合、効果を高める目的で放射線増感作用のある抗がん剤が併用されます。
処方例
・5-FU注(250mg) 1回375mg/m2 24時間持続点滴静注 1-5日 8-12日  15-19日 (フルオロウラシル)
・プラトシン注10 10mg 20mL1瓶 1回40mg/m2 生理食塩液1000mLに混注し24時間持続点滴静注 1日目 (シスプラチン)
・アドリアシン注用10 10mg1瓶 1回25mg/m2 生理食塩液100mLに混注し30分点滴 1日目
(ドキソルビシン塩酸塩)
・タガメット注射液200mg 10%2mL 1管 1日800mg IVHに混注し24時間持続点滴静注  (シメチジン)


抗がん剤の幾つかとその重大な副作用(必ずしも起きるものではありません)
製品名 薬品名 副作用
ユーエフティ
UFT(大鵬)
代謝拮抗剤
テガフール・ウラシル
tegafur uracil
骨髄機能抑制、溶血性貧血。劇症肝炎。脱水症状。腸炎。白質脳症。心筋梗塞、 狭心症。急性腎不全。重篤な口内炎。間質性肺炎など。
アドリアシン
Adriacin
協和発酵
抗生物質
塩酸ドキソルビシン
doxorubicin hydrochloride
心筋障害、心不全。骨髄機能抑制。ショック、膀胱萎縮など。
ネオカルチノスタチン
科薬-山之内
抗生物質
ネオカルチノスタチン
neocarzinostatin
(NCS)
骨髄抑制。ショックなど。
マイトマイシン
協和発酵
抗生物質
マイトマイシン
mitomycin-C
MMC
溶血性尿毒症症候群。急性腎不全。骨髄機能抑制。間質性肺炎、肺繊維症。胆道障害など。





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