家庭の医学 by igaku.bz
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家庭の医学:消化管の病気診断治療法



消化管(食道・胃・腸)の病気

●急性胃炎
原因は機械的・物理的・化学的な刺激や細菌や毒素の刺激などで起こる胃粘膜のびまん性病変。胃粘膜に発赤、浮腫、びらんなどの炎症反応が急激に発生するもので症状は急激に腹痛、悪心、嘔吐などが起きる。原因が多種に及ぶため十分特定の上治療に入る。
治療で経口摂取が不可の場合オメプラゾール(オメプラール注20mg)ファモチジン(ガスター注射液20mg)など。経口可能ならランソプラゾール(タケプロンOD錠30)・ラベプラゾールナトリウム(パリエット錠10mg)。制吐薬ではドンペリドン(ナウゼリン坐剤60)メトクロプラミド(プリンペラン注射液10mg 0.5%2mL)など。
●急性胃粘膜病変AGML
重要原因として鎮痛薬(非ステロイド系消炎鎮痛薬NSAIDs)の長期服用。他の原因では大酒、強い刺激の香辛料の摂り過ぎとストレスなど。原因は多種で十二指腸にまで及ぶ場合が多い。家庭の医学レベルでは急性胃炎と同様に理解すれば十分。

●慢性胃炎
表層性胃炎、萎縮性胃炎、肥厚性胃炎、随伴性胃炎の4類に分類。原因は食べすぎ、大酒、喫煙、ヘリコバクターピロリ菌H. pylori感染、加齢、胃液、十二指腸液、栄養障害など。特にヘリコバクター・ピロリ胃炎として注目されていて単なる胃粘膜の萎縮や加齢変化が原因とは言えない。H. pylori感染診断には迅速ウレアーゼ法、鏡検法、培養法、抗体測定法、尿素呼気試験UBTのいずれか。
治療薬:胸焼けが激しい場合、ニザチジン(アシノンカプセル75mg)・ラフチジン(ストガー錠10mg) 腹部膨満感にクエン酸モサプリド(ガスモチン錠5mg)・塩酸イトプリド(ガナトン錠50mg)など。
●消化性潰瘍:胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃は食べた物を殺菌・消化させるために胃酸や消化酵素ペプシンを分泌するが、それら消化液で粘膜に潰瘍を起こす疾患。ヘリコバクターピロリ菌やストレス、喫煙、大酒、過労、非ステロイド系消炎鎮痛剤 NSAIDsなども原因。 夜間の空腹時に心窩部痛が大半の患者に生じるが20-30%で腹痛を認めない。

●急性腸炎
感染性の場合が最も多く、食中毒から腸炎へすすむ。腐ったものや不潔な水の摂取を摂取する事やペットに付着した細菌が口に入って起こることもある。非感染性腸炎では抗生物質などの薬剤を服用することで薬剤性腸炎に、血管の障害によって起こる虚血性腸炎、また貝類やキノコ類などに含まれる毒素が原因にもなる。
●吸収不良症候群
本態性や症候性など種々の原因があり栄養素を吸収出来なくなり様々な症状を生み出すもの。 症状では慢性の下痢、体重減少、栄養不良、浮腫などの低栄養状態。
●腸捻転:イレウス
大腸や小腸の腸管内容物の運行が途絶されて、肛門方向に運ばれないことによって起こる病態。閉塞の原因は大別して器質的な原因で起こる機械的イレウス、血管神経の障害に基づく機能的イレウス。機械的イレウスは9割以上、そのうち腸管癒着症が最多。

●クローン病
大腸や小腸に多い消化管の炎症性の病気。好発部位は回腸、右半結腸。主として若年層(10代後半から20代)多発。浮腫、繊維症や潰瘍を伴う肉芽腫性炎症性病変からなる。腹痛、下痢、発熱、体重減少が特徴。
●虫垂炎(盲腸・盲腸炎)
虫垂内腔の何らかの原因で起こる狭窄や閉塞によって内腔の圧の上昇が起こり、腸管内細胞の二次感染や腸管壁の血行障害が引き起こされて生じると考えられる。狭窄や閉塞の原因としては、糞石や食べた植物の種また皮など消化しにくい溶け難いものなどがある場合や先天的に形態の異常などが。過労や暴飲暴食後にも発症。

●ヘルニア:鼠径部ヘルニア
ヘルニア嚢と呼ばれるヘルニア内容物(腸、子宮など組織)がヘルニア門より脱出。後天性では腹壁の脆弱と強い腹圧が原因。小児鼠径ヘルニアは先天的が多いが稀に自然治癒もある。嵌頓ヘルニアは要緊急手術。
●潰瘍性大腸炎
主として粘膜が侵されびらんや潰瘍を形成するびまん性特異性炎症で、粘血便と下痢が起こる。30歳以下の成人に多く発症。原因は細菌、ウイルス、免疫異常、自律神経障害、食事などが関係していると思われる。
●大腸ポリープ・ポリポーシス・ポリペクトミー療法
大別して腫瘍性と非腫瘍性がありその殆どが腫瘍性の腺腫。非腫瘍性では過誤腫性、炎症性、分類不能、に分ける。過誤腫性では若年性ポリープとポイツ-ジェガース型、炎症性では炎症性ポリープと良性リンパ濾胞性(ろほうせい)ポリープ、分類不能では化生性と過形成性ポリープがあります。いずれも良性で低頻度。腫瘍性は上皮性と非上皮性ポリープ。非上皮性ポリープは平滑筋腫、脂肪腫、血管腫、繊維腫、リンパ管腫、神経線維腫など。上皮性ポリープの中で頻度の高いものでは腺腫で、良性であっても一部ががん化している場合あり。

●虚血性大腸炎
便秘、腸蠕動亢進、高血圧、糖尿、高脂血症などが原因で大腸に血を送る血管の状態が悪化し、動脈血の流入障害によって腸粘膜が炎症を起こす疾患。好発部位は大腸脾彎曲部と直腸S字結腸結合部。
●大腸憩室症[結腸憩室症]
憩室とは管腔臓器を構成する壁の一部が周囲に脱出した部分もしくは状態。先天的、後天的がある。ポリープが腸管の内部に突出するのに対して憩室は腸管の外部に突出または脱出。腸内異常加圧により腸壁の軟弱部が外側に膨張し憩室(袋)状を作る。加齢の腸壁衰弱化や食物繊維の摂取不足で腸が健全な状態を維持出来ないのも原因視される。

●過敏性腸症候群[神経性大腸]
過敏性とは神経系の過敏症状のことで、胃などの上部の消化管で言うならば神経性胃炎に相当。過敏性腸症候群は消化管のうち下部に生じるもので原因や病態は神経性胃炎と同じものと考えられる。旧別名・神経性大腸。
●急性腹膜炎
通常腹腔内部にある各臓器:胃、十二指腸、虫垂、大腸、胆嚢、膵臓、肝臓の炎症の悪化により引き起こされる。それらの臓器が炎症を起こして悪化すると破裂や亀裂、穿孔などが起き、その部分から内容物や体液、膿、細菌などが腹腔内に流れ込んで腹膜が急激に炎症を起こす。 細菌が血液中に移行すると敗血症(細菌の感染などによる全身性炎症反応症候群)にかかり、危険。腹部の板状硬、ブルンベルグ徴候あり。

●痔核[いぼ痔]
肛門管の静脈に瘤(こぶ)が出来る疾患。葉状線よりも奥に出来れば内痔核、葉状線の外側に出来れば外痔核と呼ぶ。またそれぞれの痔核がが発達すると両方の部位をまたぐ内外痔核や双方に出来る混合型あり。小指大から始まり、大きくなる。 発症原因は妊娠の晩期、また分娩時、長時間腰掛け仕事、肛門に負担がかかる労働など。
●裂肛[きれ痔]・痔瘻・脱肛
裂肛は硬い便の排泄や圧力などで葉状線より肛門出口付近までの肛門上皮が物理的に切れた状態や慢性の潰瘍を指し痔核や痔瘻と共に多発。痔瘻とは瘻管が肛門周辺に出来る病気で、肛門の小窩に細菌が侵入後、肛門導管や肛門腺に感染し膿が溜まる。脱肛とは肛門管内にある肛門粘膜や内痔核が肛門管外に脱転。嵌頓痔核は激痛。

●回虫症・鉤虫症・ギョウ虫
回虫症とは回虫という虫が原因、成虫はヒト小腸に寄生して雌は約30cm、雄は約20cmの長さがあり、肌色若しくは淡紅色の細長い紐状のいわゆる線虫。経口より成熟卵摂取し小腸・静脈・肺・ 気管・食道・小腸へと一巡し成虫となる。蟯虫症の原因虫:蟯虫は雌が約1cm程の白い釣鐘型の虫で雌虫は夜中に肛門に出てきて肛門周辺に約1万個の産卵。雄の大きさは5mm以下。虫卵は口に入ってから2,3週間後に盲腸に寄生して成虫に。鈎虫症の原因虫:鉤虫は約1cm程の白い虫で、鉤の名の通り頭部に鋭利な一種の歯hookあり。ズビニ鉤虫とアメリカ鉤虫の2種がヒト寄生鉤虫の主要をなし、フィラリア型幼虫が経口及び経皮感染をして食道、胃、小腸、肺、気管と循環し、最終寄生部位の小腸に再び到達して成虫へ。

●寄生虫症:消化管アニサキス症・アニサキスアレルギー:
アニサキス幼虫の寄生した鯖(サバ)などの魚を食べることにより起こる疾患。消化管アニサキス症では消化管粘膜に幼虫が食いつくと激痛を伴うアレルギー症状を示す。全身性のアレルギーではアニサキス抗原に熱耐性があるため、生魚を食べなくてもじんま疹などの症状を示すと考えられている。



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