急性腸炎(きゅうせいちょうえん)acute enterocolitis |
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■原因: ●感染性・薬剤性・虚血性などの腸炎がある 感染性の場合が最も多く、食中毒から腸炎になります。腐ったものや不潔な水の摂取を摂取すること が原因です。また鳥や犬猫などのペットに付着した細菌が口に入って起こることもありますので、可愛がり方に も注意が必要です。 細菌の種類では病原性大腸菌のO-157が1996年に乳幼児に集団発生した事で有名になりましたし、 他にもブドウ球菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、カンピロバクター菌、エルシニア菌、ポツリヌス菌、コレラ菌、 赤痢菌、パラチフス菌、などがあります。 なお菌には特定の食品と関連性の高いものがあり、例としてサルモネラでは鶏卵、腸炎ビブリオでは海産物、 カンピロバクターでは鶏卵、ノロウイルスでは牡蠣(カキ)との関連があることが知られています。 またウイルスではロタウイルスがあり、乳幼児が腸炎に侵されます。 *O-157・O157escherichia coli infection:潜伏期が2〜9日と長いため厄介。この大腸菌が産生するベロ毒素 VTが 致死性のある脳症を引き起こすと考えられています。牛などの腸にこの菌がいることが問題視されました。 その他非感染性腸炎では抗生物質などの薬剤を服用することで薬剤性腸炎に、血管の障害によって起こる 虚血性腸炎、また貝類やキノコ類などに含まれる毒素が原因にもなります。
■症状: 下痢、腹痛、脱水、発熱が主な症状で、下痢の場合はその性状で腸の悪い部分をある程度測れます。 水っぽい粥状で粘液の混じる便は小腸に疑いがあり、便の表面に多量の粘液が見られるときは大腸の病変を 疑います。 白い便が大量に出るとそれはロタウイルス*による下痢(白痢)と考えられます。 下痢便に血が混じっていると赤痢、米のとぎ汁のような水便が出るとコレラの疑いがあります 。 *ロタウイルスrotavirus:レオウイルス科に属し、コアに11文節の二本鎖のRNAゲノムを持ち、カプシド二重構造。 以前に病原性大腸菌O-157による腸炎が大発生しましたが、その場合でも血の混じった下 痢便が認められたようです。 更に血便から溶血性尿毒症症候群という急性の腎障害を起こして重篤な病態になる場 合もありえます。 急性腸炎の下痢は一日に数回から20回を越えることになり、便は独特の悪臭を放ちます。 おへその辺りに痛みがあれば小腸に、お腹の周囲であれば大腸に病変があると想定されます。 痛みは細かい繰り返しを行ったり、鈍痛が持続する場合もあります。水分が便から出てしまうので 尿が減り、尿の色は濃くなります。
■診断・治療: 我慢は禁物で重篤な状態になる可能性もありますので速やかに診断を受けるべきです。 検便や血液検査などで原因を調べますが、細菌の場合には培養に日がかかるため、 何時どこで何を食べたか問診することで診断します。 大抵は腸内部に原因がありますので下痢症状が残れば下痢止めをせずに排泄させます。 脱水対策ではスポーツドリンクなどの摂取で塩分糖分を必要量吸収できます。 冷たいものは口当たりが良くても胃や腸には刺激が強すぎる場合がありますので冷やしていないもののほうが無 難でしょう。その他汁物スープ類も少量ずつ摂るとよいでしょう。 症状によっては輸液による点滴を行います。食欲があればお粥など消化のよいものを徐々に食べて行きます。
小児の場合は栄養に特に気を配るべきですが、牛乳、繊維質の野菜や果物、肉、フライ、てんぷらなど脂肪
の多いもの、酸味の強いもの、辛いもの、コーヒーなどは避けます。
●急性感染性腸炎の場合の処方例: 下記のいずれかを数日間のみ使用する。 ・クラビット細粒 100mg 3錠 分3 ・シプロキサン錠 100mg 3錠 分3 ・ホスミシン錠 500mg 4-6錠 分2-3 ・エリスロシン錠 200mg 6錠 分3 鶏肉が原因視されてカンピロバクター腸炎の疑いが濃いならば マクロライド系(エリスロマイシン・クラリスロマイシンなど)を用います。
急性腸炎:acute enterocolitis 大腸:large intestine 小腸:small intestine ブドウ球菌:staphylococcus 腸炎ビブリオ感染症:Vibrio parahaemolyticus infection サルモネラ属:Salmonella サルモネラ症:salmonellosis カンピロバクター:Campylobacter ロタウイルス:rotavirus レオウイルスreovirus |