胃潰瘍(いかいよう)gastic ulcer・十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)duodenal ulcer |
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急性胃潰瘍の場合は急性出血性胃炎、出血性びらんなどを包括・総称して急性胃粘膜病変acute gastric mucosal lesionAGMLと呼んで区別する場合もありますが胃及び十二指腸の病態の分類の方法によっては病名を異にする場合もあります。 また、胃と十二指腸の潰瘍をあわせて消化性潰瘍と呼んでいます。この病気は胃がんに比べると若い人に多くみられ、季節的には冬に発生する頻度が高いのが特徴です。
■原因: 胃は食べた物を殺菌・消化させるために胃酸やタンパク質分解などをする消化酵素ペプシンを分泌していますが、 自分の胃粘膜は胃の粘液分泌や血流などで防御する仕組みが出来ています。 しかしそれが何らかの理由でそのバランスが崩れ、胃が自分で出した消化液で粘膜に潰瘍を起こすことがあります。 また*ヘリコバクターピロリ菌やストレス、喫煙、大酒、過労、消炎鎮痛剤などもこのバランスを崩す要因と考えられています。 *ヘリコバクター・ピロリ菌:発育に最適な温度は37°であることもあり胃粘膜表面の粘液内に感染し菌が増殖・活性化する。鞭毛のある螺旋状(らせん状)のグラム陰性桿菌。1983年に存在報告され 1984年に胃炎・十二指腸潰瘍との関連が確認される。 非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)の長期間の服用が原因で消化性潰瘍を起こす事も多分にありますので、リウマチその他で この非ステロイド系消炎鎮痛剤を長期使用する場合には慎重でなければならないでしょう。 風邪などの一時症状で使用する場合には特に問題ありません。
*非ステロイド系消炎鎮痛剤:
■症状: 痛みの部位は心窩部(みぞおち)が代表的で背中の方まで痛みを感じる事もあります。 出血もよくみられ、一度に大量に起こると吐血(口から血を吐く)や下血(便に混じる)をみますが、少しずつ時間をかけて出血する場合は血液のヘモグロビンの影響で便が黒くなります(黒便)。 胃潰瘍の場合は食事をして胃に食べ物が入った時に痛みだし、十二指腸潰瘍の場合は空腹時や夜間に痛み出す場合が多く その時、食事をすることで痛みが軽減するという特徴があります。 お腹の痛みが急激な場合は胃や十二指腸の内壁に孔が開いて内容物が漏れて腹膜炎を起こしている場合が多くみられます。 また痛みを堪えていたり、痛みが弱いために放置しておくと潰瘍部分に厚みを生じさせ、狭窄してしまい食べ物の通りが悪くなることもあり、その場合には手術が必要になってきます。
■検査: X線検査:バリウムを飲んで行います。潰瘍部分にバリウムが停留しますから造影で診断出来るのです。 また潰瘍の跡がある場合にも変形が見られますから診断出来ます。 内視鏡検査(胃カメラ):医師がその場で潰瘍の状態を細かに光学的に肉眼で検査出来ますから、診断の精度は極めて高いといえます。内視鏡の検査機械は日進月歩で小型化していますので、痛みも少なく検査を受けられる事が出来ます。内視鏡に接続されている器具で出血箇所を止血することも可能です。 更に病変部位の組織の一部を掻き出して病理検査をすることも出来ますから潰瘍箇所ががん化しているかも正確に把握できます。
■治療: 従来は手術による潰瘍部分の除去などが主流でしたが、H2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)やプロトンポンプ阻害薬(PPI) の開発によって薬の治療だけで済むようになりました。 しかし、プロトンポンプ阻害薬は8週間以内の投与しか出来ませんが、その後引き続いてH2ブロッカーを長期間使用することになる場合もあります。 ヘリコバクターピロリ菌はかなり高い確率でこの潰瘍に関係していますからこの菌の除去によって再発率を低下させられると考えられています。 内視鏡は検査に用いるだけでなく、小さな医療器械を内視鏡に装置することで、 電気やレーザーで出血部分を焼いたり(凝固)クリップ止めしたり、薬剤を患部に直接 注入することも出来るようになりました。 手術を行う場合は出血が止まらない、潰瘍が深く孔があいて腹膜炎になった、胃の出口が狭まってしまった(狭窄)ときなどです。
胃潰瘍:gastric ulcer;stomach ulcer 十二指腸潰瘍:duodenal ulcer 急性胃粘膜病変:acute gastric mucosal lesion AGML X線検査:x-rays examination 内視鏡:endoscope 胃酸:gastric hydrochloric acid 消化酵素:digestive enzyme ペプシン:pepsin ヘリコバクターピロリ:helicobacter pylori |