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家庭の医学

透析療法(とうせきりょうほう)dialysis therapy(人工腎臓・人工透析)


■概要:
透析療法は人工腎臓もしくは人工透析と一般的に呼ばれていますが、現在主に二つの方法がとられています。 そのひとつは血液透析(HD)で、これは血液を透析器(ダイアライザーdialyzer)に流し込ませて、 それを一種のフィルターで不純物質を排除した後に再び体内の血流に戻すやり方です。

もうひとつは腹膜透析peritoneal dialysis(PD)で、透析液を人体の腹腔内に注入して腹膜自体の透析作用を利用することで 血液浄化を行うものです。
透析の歴史は長く、最初1913年にアベル(Abel JJ)が実験報告を行い、1945年にはコルフ(Kolff WJ)がそれを臨床応用し たのが始まりです。

●血液透析hemodialysis
先ず内シャントという方法がとられます。シャントshuntは短絡という意味で、体外循環治療の目的で血液を体外に 導出させて処置を行った後に血管内に血液を戻す治療法で、ブラッドアクセスblood accessとも呼ばれています。 その中で内シャントは皮下で動脈と静脈を直結させる処置を行い、一週間程経って太く怒張した皮下静脈に針を挿入して ダイアライザーに十分の血液を流れ込ませるようにする方法です。

そのようにして透析膜dialysis membraneによって阻まれている透析液の流れと逆方向に血液を流すことで体内に余分に溜まった水分・電解質更に尿毒症の原因物質を除去し血液を浄化させます。
透析膜の素材は再生セルロース及び酢酸セルロースなどのセルロース系やポリアクリルニトリル(PAN)、 ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスルホン(PS)のような合成高分子膜があります。

透析液に用いられている組成では、アルカリ化剤、ナトリウム(生理濃度135〜144mEq/L)、 カリウム(低カリウム血症では2.0〜2.5mEq/L)、カルシウム(2.5〜3.5mEq/L)、 マグネシウム(1.0〜1.5mEq/L)、塩素(105〜110mEq/L)、グルコース(100〜200mEq/L)が一般的のようです。



●腹膜透析peritoneal dialysis
腹腔内に腹膜透析液を注入して30分から数時間貯留させると、水分・尿素・クレアチニンなどの物質が腹膜を介して 腹腔内部に溜まってきます。それをカテーテルを通して体外へ排出させて透析を行うものです。 この方法では機械を用いずに透析を行えますが、機械を用いる自動腹膜透析法(APD)などもあります。
更にこの操作を一日5〜6回繰り返す方法を間歇的(間欠的)腹膜透析(かんけつてきふくまくとうせき)(IPD)と言います。

また持続的外来腹膜透析(持続携帯式腹膜透析)(CAPD)もあり、これは透析液を2L注入した後、カテーテルを一旦閉じて 5,6時間後に不純物の溜まった透析液を排出させる方式です。これは一日に3,4回続けて一日がかりで行う方法です。 この方法ですと、長時間病院のベッドで束縛される必要もなくより社会復帰に利する治療法のため、普及しつつあります。

尚、透析液を用いない血液濾過法hemofiltrationというものもあり、治療目的も異なります。






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