無料で読める家庭の医学 病気・疾患の解説、英語名、原因、症状、診断・治療方法、処方例などをわかりやすく記載
家庭の医学

胆嚢炎(たんのうえん)cholecystitis・胆石症(たんせきしょう)cholelithiasis;gallstone disease


■原因:
胆嚢炎は胆石が原因でなることもあれば胆嚢炎にかかると胆石が出来やすくなるものです。 それで両者の関係は大変深いものです。 また胆石があれば症状が無くても胆石症と呼ぶ場合が多いようです。

胆石は均一の成分ではなく、コレステロール系胆石、ビリルビン系胆石(色素胆石)その他の成分で作られています。 胆嚢内に一個から無数の胆石が作られます。 胆嚢や胆道の通りが悪くなると滞った部位に炎症を起こしたり、固まりやすい成分が分離されて胆石を作ると考えられています。女性に多く罹り、加齢と共に頻度は増加していきます。

また、不規則な食事を摂る人や事務的労働をする人が罹る割合が高いと言われています。 胆石が出来ると胆嚢は炎症しやすくなり、悪化すると胆嚢が壊死したり破れることがあります。 胆石が胆管中に出されて胆管が詰まりだすと黄疸が起きたり炎症を起こしたりします。
胆石以外の原因では浮腫や寄生虫などでも胆嚢管が閉塞し細菌感染して炎症をおこします。



■症状:
発作的な痛み(疝痛せんつう)、発熱、黄疸が特徴をなしていて、食べすぎた後や過労の後などに激しい突発的な 痛みを生じます。発作時は右季肋部から心窩部にかけての圧痛や腹壁緊張感が現われます。
痛みが5分程度でおさまる場合もあれば何日間も続く場合もあります。



■診断:
診断は色々な方法があり、X線検査、超音波(エコー)検査、コンピュータ断層撮影(CT)検査などの機械を使います。 造影剤を用いるとより鮮明に見えます。また経口的吸引を行って口からゴム管を飲み胆汁を吸いだして検査を行い、胆石の一部を確認することが出来ます。



■治療:
痛みもなくなり、お腹を押しても痛みが生じない程度であれば安静を維持しながら食事に注意して生活出来ます。 定期的な食事が大切であることはこの病態の原因からも察することができます。 もし食事が不定期的であると胆嚢に溜まる胆汁の流通が滞り、その結果胆石や炎症を起こすことがあるからです。 また脂っこい物を多く摂ったり食物繊維が足らない場合も同じことが言えます。 更に心身共に過労させないことも大切です。

また痛みがあれば右上腹部を広く冷湿布を施し、 アンピシリンampicillin(ABPC)などの抗生物質の投与も行います。ペニシリン系が使えない場合はセフォタキシナトリウム cefotaxime sodium(CTX)などを用います。
胆嚢内に2cm未満のコレステロール結石があれば、胆石溶解薬であるウルソデオキシコール酸ursodeoxycholic acid(UDCA) (商品名・ウルソ)などを用いての溶解療法をとることも出来ます。
胆管ドレナージ法PTBD・内視鏡的ドレナージEBD
胆管内に微小な胆石がある場合には十二指腸ゾンデduodenal tibeという1.5m程の長さの軟質のゴム管を経口的また径鼻的に消化器に挿入してその管から硫酸マグネシウム液を注入して胆嚢を収縮させて胆嚢を洗います。

しかし炎症が悪化していたり腸閉塞を起こしたり胆嚢が破れたりした時は手術が必要で、そこまで行かない場合でも手術が望ましい場合も多いのでインフォームドコンセントをしっかり図るべきでしょう。
手術は胆嚢そのものを切除しますが、それが適切でない場合は胆嚢から出る胆汁をカテーテルを用いて排出させる、経皮的胆嚢ドレナージ術を施します。 また開腹手術を行わなくてもお腹に数箇所1cm程度の穴を開けて、腹腔鏡(内視鏡)により患部を目視しながら鉗子(かんし)を用いて胆嚢を摘出する方法もあります。






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