無料で読める家庭の医学 病気・疾患の解説、英語名、原因、症状、診断方法、治療方法、処方例などをわかりやすく記載
家庭の医学 by igaku.bz

急性副鼻腔炎・慢性副鼻腔炎

副鼻腔炎は副鼻腔が炎症を起こす病気で、 頬骨(ほおぼね)の内側にある上顎骨の内部に位置する上顎洞(じょうがくどう)、 鼻腔の両側にあり、多数の小さい腔からなる篩骨洞(しこつどう)、 その裏側にある蝶形骨洞(ちょうけいこつどう) 両眉の上にある前頭洞(ぜんとうどう)、という4箇所の副鼻腔のどこにでも起こります。



■急性副鼻腔炎の原因:
風邪をひいて喉や鼻などの上気道がウイルス感染を起こすと副鼻腔の粘膜が腫れるためにその開口部が閉塞(へいそく)を起こし易くなります。 閉塞が生じると空洞内の空気が徐々に血流に移っていき、内圧が低下します。するとそこに分泌液が溜まりだして細菌が増殖し、次に白血球も集まり空洞内圧が上昇します。内圧の変化に伴い、痛みを生じさせます。 他に急性鼻炎も原因のひとつです。



■症状・診断:
発熱や炎症のある副鼻腔に痛みや腫れが生じます。場合によっては激しい頭痛を起こします。 膿の混じった黄色から黄緑色がかった鼻汁が出ることがあります(膿性鼻漏)。鼻をかむと鼻の奥のほうに痛みを感じます。また嗅覚障害も起こします。
精密に患部の状態を調べるためにX線検査やCTを用います。



■治療:
先ず副鼻腔に溜まった分泌液を排出して洗浄します。

抗生剤を一定期間服用します。
アモキシシリンamoicillin(アミノヒドロキシベンジルペニシリン aminohydroxybenzylpenicillin):
広域性の半合成ペニシリン系抗生物質。経口剤ではアンピシリンの約二倍の 吸収があり、血中濃度もその二倍以上を期待できます。 商品名:アモリン(武田)、サワシリン(昭和薬化工-藤沢)、 パセトシン(協和発酵)、ワイドシリン(明治製菓)その他多数。
副作用:ショック、アナフィラキシー様症候群。皮膚障害。 血液障害(顆粒球減少など)。肝機能障害。腎障害。大腸炎。

スルファメトキサゾール-トリメトプリム sulfamethoxazole・trimethoprim:
ジアミノピリミジン系で単にST合剤と呼ばれていて、5対1の割合で配合され たもの。互いの相性がよく、投与後概ね4時間で最高血中濃度に達し、両剤 の半減期は9〜12時間。 商品名:バクタ(塩野義)、バクトラミン(中外)その他。
副作用:再生不良性貧血。溶血性貧血など。ショック、 アナフィラキシー様症候群。皮膚粘膜眼症候群。中毒性表皮壊死症。

飲み薬の他、スプレータイプのステロイド点鼻薬もあります。 アレルギー症状を示せば、抗ヒスタミン薬も用います。

・プレッツ置換法(ちかんほう)displacement therapy Proetz:
鼻腔に薬液を注入し、副鼻腔内の空気を吸引して陰圧(圧力低下)させて 、圧力の高い側にある薬液が圧力の低い側の副鼻腔内に流し込ませる手法。
また薬で効果が表れない場合、手術でより高度に洗浄をおこないます。





■慢性副鼻腔炎の原因:
副鼻腔の炎症が2、3ヶ月以上続くと慢性症状とみなします。 頻繁に風邪をひいたり鼻や喉の炎症を繰り返していく内に慢性化してしまうことがあります。
他にも偏食、環境、アレルギーなどの体質などが考えられます。 体質は遺伝的な要素を多く含みますから親や親族にこの病気があると自分も罹り易くなりますのでひとつの目安になります。



■症状:
急性の場合と違って鼻の奥に激痛や鈍痛などを生じることはあまりありません。主に充血や腫れ、鼻閉(びへい[鼻づまり])や鼻汁で、特に鼻汁は黄色や黄緑色の粘性のもので鼻をかんでもなかなかすっきりせず、強くかみ過ぎて頭痛を生じることもあります。 また嗅覚の低下も一般的に起こり、鼻汁が喉に回ると不快感が増してきますし、細菌の影響で気管支炎をも起こしてしまうこともあります。不快感が強まると仕事や勉強の際の集中力の妨げになり得ますが、 この病気そのものがその機能を妨げることは普通はありません。あくまでも精神的、心理的な問題です。



■治療
薬では長期使用を視野に入れて次の薬が有効です。
マクロライド系抗生物質macrolide antibiotics, macrolides;MLs:
14〜16員環という大きな環のラクトン構造から成り立っていて、この場合では 14員環系のものが使用されていて、以下の二種はよく用いられています。
エリスロマイシンerythromycin(EM):商品名エリスロマイシン(富山)。
副作用:胃腸障害。また肝臓から排泄されるため、肝疾患のある患者は要注意。

クラリスロマイシンclariyhromycin(CAM):商品名クラリシッド (アボット-大日本)、クラリス(大正-大正富山)。
副作用:ショック、アナフィキシー様症候群。心室性頻脈。 肝機能障害。腎機能障害など。

急性副鼻腔炎:acute sinusitis   慢性副鼻腔炎:chronic sinusitis   副鼻腔:nasal sinuses   粘膜:mucous membranes
分泌:patient discharge,secretion   炎症:inflammation   アレルギー:allergy   






  HOME