無料で読める家庭の医学 病気・疾患の解説、英語名、原因、症状、診断方法、治療方法、処方例などをわかりやすく記載
家庭の医学

肺気腫(はいきしゅ)pulmonary emphysema

肺の内部は喉から通じている気管支が幾つも枝分かれしていて、その末端に空気中の酸素を取り入れると共に二酸化炭素を体外に排出するために肺胞という組織があります。 その肺胞は肺胞壁によって隔たれていますが、その部分が何らかの原因で断裂されてしまうと、肺胞同士が密着してお互いに融合してしまい空洞が出来てしまいます。

空洞が出来ると本来そこにあった肺胞面が喪失されることで気体交換する面積が減少してしまいます。その空洞が大きくなる程呼吸が困難になってきます。それが肺気腫という病気です。



■原因:
原因はいくつか考えられていて、喫煙、大気汚染された環境での呼吸、感染症、老化などがありますが、最も明らかとされているものに、喫煙があります。喫煙を維持し続けると呼吸細気管支に好中球 (白血球のひとつである顆粒球の中で中間の性質があり、しばしば特定部位に過剰に発現して組織障害を起こす事もある) が異常に集中して好中球か出るエスターゼelastaseが細胞外マトリックスの蛋白質エラスチンなどによって構成されている肺胞の破壊を招くと考えられています。



■診断:

一秒量率検査があり、肺に吸い込んだ空気を一秒間にどれだけ吐き出せるかを測定します。
胸部X線検査では肺がビア樽状の膨張が認められ、血管の陰影が消えて横隔膜が下に写し出されます。
胸部CTでは空洞(ブラ)の存在が明確に確認出来ます。



■症状:
病状は少しずつ進行していきますから、初期の段階では症状はわかりません。しかし空洞が大きくなるにつれて今まではなんでもなかった程度に動いた場合でも息切れを覚えます。更に悪化すると歩くだけで息苦しくなり、話をするだけでも息苦しさを覚えます。
日常生活に支障をきたすようになれば空気中の濃度の酸素では十分に吸収できませんから吸入酸素ボンベが必要になります。




■治療:

●喫煙をやめ呼吸法を習得する
肺胞に穴が開いてしまい空洞が出来ると非可逆的で、元には戻りませんから、残された正常な肺胞を出来るだけ効率よく使うことを考えます。そのために喫煙はやめることが重要です。長期にわたる喫煙は肺気腫だけでなく、肺胞内部にタバコによるタールで汚れていて有効なガス交換が十分に行われていない状態になっていますから患者にとっても禁煙がいかに重要かが納得できるはずです。

またリハビリ訓練を行い、腹式呼吸をマスターして横隔膜をうまく使いこなすと肺機能を効率よく最大限に利用できるようになります。

●在宅酸素療法
病状が悪化して自分の肺呼吸だけでは必要な酸素量を吸収できない場合は在宅酸素療法home oxygen therapy(HOT)を選ぶことが出来ます。種々の携帯型のボンベを用いて移動なども簡便に行えるようになりました。 ダイバーのように口全体をふさがなくても鼻からの酸素補給で間に合います。

酸素ボンベの場合は定期的に充填やボンベ交換が必要になりますが、酸素濃縮器を用いると大気中(空気中)の酸素の濃度をあげる装置ですから充填の手間が不要になります。

●手術による患部摘出療法
その他に手術によって機能の果たしていない部位を切除して残された肺胞を横隔膜を用いて 最大限活用出来るようにする治療法もあります。この場合、どれだけ有効な肺胞があるかなどで適する 療法かが判断されますので十分相談して決定すべきです。

薬による治療では気管支喘息の治療に用いるものが使えます。 そちらを参考にしてください。







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