無料で読める家庭の医学 病気・疾患の解説、英語名、原因、症状、診断方法、治療方法、処方例、などをわかりやすく記載
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メニエール病(メニエル病)Meniere disease 【突発性内リンパ水腫】


■原因:
メニエール病は、回転性の眩暈(めまい)や吐き気、嘔吐(おうと)また耳鳴りや難聴などを起こす病気で、 病名の由来はフランスの耳科学者メニエールMeniere(1799-1862)がこの病気の原因を報告したことによります。

●突発性内リンパ水腫(とっぱつせい・ないりんぱすいしゅ)
それまでメニエール病は脳溢血(のういっけつ)などの中枢神経の病気のみと考えられていましたが、メニエールは1861年にこの病気の原因は内耳(半規管)にあるリンパ液の産生量が吸収量を上回り、この両者の均衡が保てなくなることにより起こる疾患(内リンパ水腫)があることを報告しました。

■内リンパ水腫の原因
内リンパ嚢(のう)の血管及び周囲の繊維化。内リンパ液上皮の扁平化。内リンパ嚢や内リンパ管の発育不良。内リンパ周囲の含気化。内リンパ嚢に関する免疫の異常。水代謝に関連するホルモンやレセプターの異常など。



■症状:
回転性めまいによる吐き気や嘔吐
前述の通り、ぐるぐると頭の中で渦が巻いているような、いわゆる回転性の激しいめまいが突発的に生じ、また吐き気や嘔吐も伴います。 この症状は短くても30分、また通常でも2、3時間続きますが一昼夜続くこともまれにあります。
一度この症状が出始めると、その後周期的に症状が現れます。 その際発症した側の耳に閉塞感や圧迫感も覚え、また耳鳴りや難聴も同時に起きたり断続的に生じたりします。 この病態が何年も続くと聴力が徐々に衰えてきます。



■診断:
上記の症状が現れればメニエール病と診断されます。 しかし原因を明確にするために聴力検査だけでなく、MRI検査も行うことがあります。
更にグリセロール検査、フロセミド検査(ループ利尿薬であるフロセミドを用いる聴力検査)などがあります。



■治療:
発作には ロラゼパムlorazepam[ベンゾジアゼピン系薬](商品名:ワイパックス・ワイスレダリー-武田)
スコポラミンscopolamine(商品名:オピスコ・三共、田、パンスコ・武田)

吐き気嘔吐に プロクロルペラジンprochlorperazine(商品名:ノバミン・塩野義[内服薬及び筋肉注射])
嘔吐がある場合、筋注をします。若しくは坐薬にして使用します。

その他 メシル酸ベータヒスチンbetahistine mesilate[脳血管拡張薬](商品名:メリスロン・エーザイ)、
ジメンヒドリナートdimenhydrinate[抗ヒスタミン薬](商品名;ドラマミン・ファイザー、トラベルミン・ サンノーバ-エーザイ)
を用います。

■薬がうまく作用しない場合、手術療法も視野に入れます。
●内リンパ嚢開放術【内リンパ嚢減荷術:ボルトマン手術】
内耳の過剰にあるリンパ液圧を低下させる処置によって内耳の水腫(むくみ)をとることが出来ます。 内リンパ液圧が高い状態が続くと難聴が進行してゆきます。 またボルトマン術原法の外膜切開法から手術に改善がなされ、切開部の再閉鎖防止の措置として 内リンパを髄腔に解放するくも膜下シャント術などがあります。

●前庭神経切断術
半規管の平衡機能を低下若しくは破壊をさせる処置もとられます。 これは内耳前庭神経を切断させる方法で、めまいはほぼ治まり、聴力も保つことが出来ます。しかし平衡感覚が失われますので激しいスポーツや特別の技能職務などは困難になります。 しかしこの病気の殆どは30〜40歳代の成人におこりますから、平衡機能は視覚による経験的 補償を行いますので日常生活には殆ど影響しません。



メニエール病:Meniere   内リンパ:endolymph   水腫:edema   めまい:vertigo     吐き気:gagging
内リンパ水腫:endolymphatic hydrops   嘔吐:vomiting   耳鳴り:tinnitus    難聴:hypacusia   
フロセミド:furosemide   グリセロール:glycerol






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