無料で読める家庭の医学 病気・疾患の解説、英語名、原因、症状、診断方法、治療方法、処方例などをわかりやすく記載
家庭の医学 by igaku.bz

結膜炎(けつまくえん)conjunktivitis:流向性、アレルギー性・春季カタル

■原因:
結膜炎とは、結膜と呼ばれる瞼(まぶた)の裏側を覆っている部分とそれを折り重なるような形で眼球部分にまで及んでいる強膜部分が炎症を起こしている疾患の総称です。 結膜炎の主体的症状としては、眼脂、痛痒感、充血、異物感などがあります。
結膜炎の中でもよくみられるものとして、流行性角結膜炎(りゅうこうせいかくけつまくえん)[はやり目]、アレルギー性結膜炎、春季カタル(しゅんきかたる)などがあります。
感染性のものでは、ブドウ球菌や肺炎球菌などの細菌やアデノウイルス、エンテロウイルス、コクサッキーウイルスなどのウイルス感染が多く見られます。



■症状:
●流行性角結膜炎(りゅうこうせいかくけつまくえん)epidemic keratoconjunctivitis;EKC:
結膜の充血、ケシの実程の小さな白点またはブツブツの濾胞(ろほう)[リンパ濾胞]、まぶたが腫れる眼瞼腫脹(がんけんしゅちょう)、粘りのある目やに、裏まぶたの異物感などを訴えます。 濾胞が出来ることから急性濾胞性結膜炎(きゅうせいろほうせいけつまくえん)acute folicular conjunctivitisとも呼ばれています。 これはアデノウイルス8型、19a型、37型の感染によるもので、伝染力がかなり強いものです。 感染が進んでしまうと角膜に孔があいて失明する場合もありえます。

●アレルギー性結膜炎allergic conjunctivitis:
植物の花粉がアレルギーを起こす原因のひとつですが、この結膜炎は花粉症と類別される場合とそうでない場合もありますが、要するに花粉、ダニ、真菌、動物の毛その他の抗原に対して抗体が体内で作られてそれが抗原に肥満細胞と共に結合して退治しようとする際に化学物質であるヒスタミンが分泌されるとアレルギー反応を示すものです。

そのために目の痒み(かゆみ)、充血、眼瞼腫脹、流涙、くしゃみ、鼻水、鼻づまり[鼻閉(びへい)]などのいわゆる花粉症の症状が顕著に現れます。感染してから約1週間で症状が現れて更に1週間経つとピークに達します。

●春季カタル(しゅんきかたる)vernal keratoconjunctivitis;VKC,spring catarrh:
これもアレルギー反応による疾患ですが、花粉症と違って抗原は多くはダニなどと思われます。症状は結膜炎と同様のものですが、更に結膜が凸凹状態に腫れ上がったり、巨大乳頭、嚢胞(のうほう)などを生じさせ、アレルギー疾患としては最も重い症状が出ます。



■診断:
結膜部位では瞼を裏返して観察します。大抵は特別な検査をしなくても診断出来ます。



■治療:
流行性角結膜炎、花粉症ではゴーグルタイプの眼鏡やマスクで予防を図り、対処療法として副腎皮質ステロイド、抗ヒスタミン、抗生物質などの点眼薬を用います。

抗生物質:クロラムフェニコールchloramphenicol商品名クロラムフェニコール点眼液T(日東メディック)、コリマイC(科研)。
硫酸ベカナマイシンbakanamycin sulfate商品名カネンドマイシン(明治製菓)。
硫酸ゲンタマイシンgentamicin sulfate商品名ゲンタシン(シェリング・ブラウ)他。
抗菌薬:オフロキサシンofloxacin商品名タリビッド(参天)。
サルファ剤:スルフィソキサゾールsulfisoxazole商品名サイアジン(アステラス)
合成副腎皮質ホルモン剤:リン酸ベタメタゾンナトリウムbatamethasone sodium phosphate 商品名サンベタゾン(参天)。
春季カタルの場合、免疫抑制剤の効果も認められています。
シクロスポリンciclosporin商品名サンディミュン(ノバルティス)。
タクロリムス水和物tacrolimus hydrate商品名プログラフ(藤沢)


結膜炎:conjunctivitis   流行性結膜炎:episdemic conjunctivitis    アレルギー性結膜炎:allergic conjunctivitis
肺炎球菌:pneumococcus   アデノウイルス:adenovirus;AD virus    エンテロウイルス:enteroviruses   花粉:pollen
春季カタル」:spring conjunctivitis   結膜:conjunctiva    流行性角結膜炎:epidemic keratoconjunctivitis
ろ胞性結膜炎:follicular conjunctivitis







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