無料で読める家庭の医学 病気・疾患の解説、英語名、原因、症状、診断方法、 治療方法、処方例などをわかりやすく記載
家庭の医学

ハンチントン病・Huntington病(G10)(ハンチントン舞踏病)


■原因:
●常染色体優性遺伝性疾患により不随意運動・精神症状・認知症を引き起こす病気
ハンチントン病とは不随意運動のひとつである舞踏運動を主とし、精神症状や知能障害(認知症など)をも示す常染色体優性遺伝性の疾患です。30-50歳代に発症して発症後10-20年で呼吸器感染や全身衰弱などで死亡します。

この病気は米国オハイオ州の開業医であったハンチントンHuntington, George Summer(1850-1916)によって1872年に舞踏病に関する短い論文を発表したことからこの病名がつきました。我が国における有病率は10万対0.34人とあまり高くはなく、欧米の約1/10にすぎません。

原因は第4染色体に遺伝子の突然変異による異常があり、この遺伝子は優性のために両親のどちらかから異常な遺伝子を受け継ぐだけでこの病気を発症します。 つまり子供には2分の1の確立で発症すると言うことです。

自分の親にハンチントン病がある人は、遺伝子検査をうければこの病気を受け継いでしまっているかが わかります。DNA内部の遺伝子コードの一部分に特徴的な、36回以上のCAGリピート(反復)(塩基配列:CAGCAGCAGCAG・・・)が検出されれば陽性であると言うことになります。(正常の場合は7-34回)
このCGAに対するアミノ酸はグルタミンで、このハンチントン病をCGAリピート病・ポリグルタミン病と呼ぶこともあります。



■症状:
ハンチントン病の初期の症状は緩やかで際だっていないために、日常の正常な動作で織り込まれてしまいますので気づくのが遅れますが、やがて落ち着きの欠けたような動きが見られ精神状態も悪化してイライラ、興奮、無関心、ふさぎ込みなどが見られます。 動作は遅くなり顔面がゆがみ瞬きが頻繁になったり手足に異常な動きが見られるようになります。 やがては重度の認知症状も示します。



診断・治療:
遺伝子診断の他、進行するにしたがってCTやMRIの検査では尾状核萎縮、側脳室拡大、大脳萎縮が確認出来ます。

不随意運動に対する対症療法の処方例(下記を適宜選択):
塩酸チアプリド(グラマリール錠25mg) 1-6錠 分1-3
ハロペリドール(セレネース錠0.75mg) 1-6錠 分1-3
スルピリド(ドグマチールカプセル 50mg) 3-6錠 分1-3
リスペリドン(リスパダール錠1mg) 1-4錠 分1-2
塩酸アミトリプチリン(トリプタノール錠10mg) 2-6錠 分2-3
レボドパ・カルビドパ(ネオドパストン錠100mg) 1-3錠 分1-3
カベルゴリン(カバサール錠0.25mg) 1-10錠 分1


ハンチントン病:Huntington disease ;HD   不随意運動:involuntary movement    染色体:chromosomes   遺伝子:gene
突線変異:mutation   アミノ酸:amino acid   グルタミン:L-glutamine    ハンチントン舞踏病:Huntington chorea
染色体:chromosomes   尾状核:caudate nucleus   側脳室:lateral ventricle    大脳:brain  萎縮:atrophy
舞踏運動:choreic movement,chorea






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