無料で読める家庭の医学 病気・疾患の解説、英語名、原因、症状、診断方法、治療方法、処方例などをわかりやすく記載
家庭の医学 by igaku.bz

脳内出血(のうないしゅっけつ)・くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)

●脳内出血intracerebral hemorrhage:
脳内出血(脳出血cerebral hemorrhage)とは、脳内血腫intracerebral hematomaとほぼ同意語とみなして差し支えないと思います。 つまり頭蓋内の動脈(径0.3mm程度の細い動脈が多い)が破れて出血を起こす結果、血腫hematoma(漏れた血液が貯留した状態)を形成するからです。 脳卒中の中で脳梗塞や脳血栓、脳塞栓などと並ぶ多発疾患としてこの脳内出血があげられます。 即ち脳卒中の死因の26%ががこの脳内出血によるものです。

脳内出血を起こすときの血圧は200mmHg以上になっている場合が多く、その高圧状態でもって脳の組織に圧力をかけて脳にダメージを与えるものです。出血が多量になると脳ヘルニアを起こして死亡する割合が増加します。5mL未満の出血であれば自然吸収されますが、それ以上であればさまざまな症状を呈します。

脳内出血の一般的症状
身体の右か左のどちらかに運動麻痺(まひ)や感覚麻痺が生じて意識障害も起こします。さらに脳浮腫から脳ヘルニアへと 進行することもあります。

●くも膜下出血subarachnoid hemorrhage(SAH):
くも膜下出血とは脳内出血の代表的疾患で、くも膜(クモ膜)とは外側にある硬膜と内側にある軟膜の中間にあり、血管の無い組織である点が特徴的です。 更に硬膜とクモ膜の間には硬膜下腔があり、クモ膜と何膜の間にはクモ膜下腔があります。 脳動脈瘤が破裂して出血を起こすと普通そこに血液が溜まり血腫を生じさせ、それがくも膜下出血となります。

●未破裂動脈瘤unruptured cerebral aneurysm:
動脈瘤破裂によるくも膜下出血の予後(発病以後の経過)は悪く大半が死亡に至ります。 それで破裂する前になんらかの機会に検査を受けて動脈瘤を発見することが非常に大切です。
・症候性未破裂動脈瘤:脳動脈瘤が増大すると周囲の脳や脳神経を圧迫し圧迫症状を呈しますのでしびれやめまい感などの自覚症状を持って診断を受けることになります。
・無症候性未破裂動脈瘤:脳ドックや別の疾患の検査などで偶然に見つかるものです。

発症好発年齢は5、60代であることが多く女性が男性の2倍ほど多く見られます。 原因疾患は脳動脈瘤の破裂が最も一般的です。特に太い動脈の分岐部分に瘤(こぶ)が出来やすく、そこに血圧が上がった時に破裂して出血し、クモ膜下腔に広がりますが、そこは直ぐ脳の表面になります。

■症状:
大抵は前駆症状(前もって現れる症状)もなく、特徴的なものとして突然の激しい頭痛があります。 また顔面痛、両眼の機能が低下するために物が二重に見える複視などの視力障害も現れます。 更に意識障害、嘔吐なども起こります。項部硬直が起き、即ちうなじ(襟首)付近がカチカチに硬くなります。意識を失った後、一時的に意識を取り戻すことがあっても救急の処置は絶対必要です。

■診断:
CT検査をします。血管造影剤を使用すると脳内で破れた動脈瘤を確認出来ます。

■治療
動脈瘤の破裂があれば、開頭手術でクリップをして出血を止めます。クリップは磁気の影響を受けずに MRI検査にも対応しています。(開頭クリッピング術) また、開頭しないでも血管内から動脈瘤の箇所にカテーテルを用いてコイル状のワイヤーを誘導させて、 病変部位を閉塞させる技法もとられるようになりました。(コイル塞栓術) いずれにせよ、難度の高い処置ですので危険性を伴いますので選択に関しては十分な考慮またインフォームドコンセントが求められます。
インフォームドコンセント:医療側と患者側の間の十分な意思疎通と情報交換により患者が優先的に医療方法を選択すること。








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