■原因:
骨格筋の神経筋接合部のシナプス後膜上にあるアセチルコリンレセプター(アセチルコリン受容体:AChR)
に対する自己抗体にり破壊現象が生じることで発症する自己免疫疾患です。それにより神経筋接合部での
刺激伝達障害が生じ骨格筋の易疲労性、筋力低下が見られます。
このアセチルコリン受容体には2タイプあってニコチン性の他中枢神経、自律神経節、心筋、平滑筋に分布するム
スカリン性が存在します。
■症状:
神経筋接合部の多くは外眼筋に集中していることから眼瞼下垂、眼球運動障害による複視がよく起こります。
表情筋への影響は筋無力症顔貌として出現するほか全身症状として全身脱力、嚥下障害(えんげしょうがい・えん
かしょうがい:飲み下すのが困難になる)吸収障害なども見られます。
■診断:
臨床症状・エドロホニウム静注試験による症状改善・血清AChR抗体陽性・低頻度(1-5ヘルツ)反復神経刺激での電位振幅の減少(waning現象)を主体としてなされます。
■治療:
原因として胸腺腫が確認出来れば胸腺摘除術を行います。
免疫抑制薬としてステロイドが一般的ですが初期投与は少量から慎重に行われます。
処方される代表的な薬(一例)
プレドニゾロン(プレドニン錠5mg)・タクロリムス水和物(プログラフカプセル1mg)
アザチオプリン(イムラン錠50mg)
眼筋型など軽症の場合に抗コリンエステラーゼ薬も用います。
臭化ピリドスチグミン(メスチノン錠60mg)・塩化アンベノニウム(マイテラーゼ10mg)
重症筋無力症 myasthenia gravis 骨格筋:skeletal muscle 神経節:ganglion
眼瞼下垂:blepharoptosis
眼球運動障害:disturbances of ocular motility 胸腺腫:thymoma 嚥下障害:deglutition disorders
アセチルコリン受容体:acetylcholine receptor ステロイド:steroid
|