|
■原因:
梅毒とは淋病と同様に性感染症の代表的な疾患で、病原体は梅毒トレポネーマtreponema pallidum(トレポネーマパリダム)
と呼ばれている規則的ならせん状を認める菌で、一端に3〜8本の鞭毛(べんもう)があります。
この菌は意外と抵抗性がかなり弱く、外界との接触では直ぐに死滅します。
■症状:
●第一期梅毒
性的接触の後、2〜3週間で陰部(男子では亀頭、冠状溝、包皮、女子では大陰唇、小陰唇、膣、子宮頸部など)に
一個から数個の小指の頭大の固くて平たい光沢のある赤い無痛性の硬結が生じ、それを初期硬結(こうけつ)
と言います。
更に硬結の中央部の上皮細胞が崩壊してびらんや潰瘍が出来、周囲が硬く盛り上がってきます。
それを硬性下疳(こうせいげかん)hard chancre,hard soreと呼んでいます。
(稀に陰部以外にも下疳が見られます。)
下疳が出来ると直ぐに鼠径部のリンパ節が腫れ上がりますがこれも無痛ですし、このシコリも自然に消えて
しまいます。
●第二期梅毒
更に約4週間を経て梅毒血清反応(ワッセルマン反応;Wassermann reaction)が陽性となり、三ヶ月でバラ疹rose spot(バラ斑点;薔薇の
花に似た色のえんどう豆大からそれ以上の大きさの斑点)、
丘疹状梅毒症や梅毒性乾癬を見ます。しかしこの症状も一旦収まります。
●第三期梅毒
この時期に現れる特徴的病変としてゴム腫gummaがあり、皮膚や皮下組織、骨や関節などに見られるようになります。
灰白色でゴムのような弾力性のあるもので、大きさは目に見えるものから顕微鏡レベルの小さいものまで多種存在します。
心膜に生じる炎症で限局性または粟粒性の
ゴム腫なども生じます。
その影響が心臓や血管に現れてくると、大動脈瘤や大動脈弁閉鎖不全をおこして死亡することもあります。
感染機会から約三年が経つと神経梅毒neural syphilis(脳梅毒)が出て歩行障害、痴呆症状もみられるようになってくるとそのまま第四期へと進んでいきます。
梅毒は第四期まで区分されていますが、現在では薬が有効のために大体は第一期の症状が現れた時点で病院で治療を受ければ悪化せずに治す事が出来ます。
■診断:
代表的な検査では梅毒血清反応serological test for syphilis;STS(ワッセルマン反応)があって、
補助結合反応、沈降反応、凝集反応に分けられていますがいずれも梅毒トレポネーマの反応を直接示すものではありませんので、梅毒患者でなくてもこれが陽性を示すこともあります。
■治療:
ペニシリン系の薬剤で治すことが出来ます。
抗菌薬名アミノベンジルエぺシリンのアンピシリンampicillin(ABPC)・商品名:ソルシリンSolcillin(武田)、ビクシリンViccillin(明治製菓)
フェネチシリンカリウムphenethicillin potassium(PEPC)・商品名:シンセペンSynthepen(明治製菓)
ベンジルペニシリンベンザチンbenzyl-penicillin benzathine(DBECPCG)・商品名:バイシリン
Bicilline(万有)
その他にもマクロライド系のアセチルスピラマイシンacetylspiranycin(ACSPM)・商品名も同じで協和発酵のもの。
キタサマイシンkitasamycin(LM)・商品名ロイコマイシンLeucomycin(旭化成)などがあります。
|