無料で読める家庭の医学 病気・疾患の解説、英語名、原因、症状、診断方法、治療方法、処方例などをわかりやすく記載
家庭の医学 by igaku.bz

ベーチェット病Behcet disease・Behçet disease


■原因:
●原因は未だ不明であるが遺伝的要因と外的要因が関与していると考えられている。
ベーチェット病とはトルコの皮膚科医のベーチェット*が最初に報告して名付け親になりました。 この病気は原因不明の病気で全身に炎症を引き起こすもので、急激に症状があらわれたかと思うと一旦収まり、暫くして再発するというパターンを繰り返すのが特徴です。日本人にも多く、特に寒地の若い男性に見られます。
なかでもHLA-B51という組織適合性抗原が50%以上の例があり、種々の遺伝的要因となんらかの外因がこの発症にかかわっていると考えられています。
*ベーチェットBehçet,Hulusi:1889-1948トルコのイスタンブールで出生し、皮膚科医として活動し梅毒・寄生虫感染症などでの業績を残しました。1937年にはベーチェット病を始めて報告しました。 



■症状と診断:
●再発性口腔内アフタ性潰瘍:
口の中の粘膜に潰瘍が出来て触れると激痛を起こします。
●皮膚症状:
結節性紅斑・毛嚢炎様皮疹・皮下の血栓性静脈炎。かみそり負けがよく見られ、ブドウ球菌などの影響で化膿します。
●外陰部潰瘍:
外陰部全体(陰嚢、陰茎、大陰唇、小陰唇、膣壁周囲など)に痛みのある潰瘍が出来、治癒に最低1ヶ月かかります。
●眼症状を主徴とする疾患:
急性の肉芽腫性ぶどう膜網膜炎からくる霧視、飛蚊症、視力低下、失明 虹彩、毛様体、網膜に炎症、びまん性硝子体混濁、出血のある網膜滲出斑、閉塞性網膜血管炎があります。

上記主症状全てを認める場合完全型、それ以外の場合を不完全型もしくは疑いに分類されます。

更に以下の症状も加えて診断されます。
関節炎:体中の関節で特に肩や膝などの大きな関節が痛みます。
副睾丸炎:精巣の裏側にある7cm程の細長い器官で内部には6mの長さの精巣上体管を含んでいる精巣上体epididymisの炎症のこと。
腸管ベーチェット病:虫垂炎の時のような腹痛が起こり、また腸からの出血や潰瘍も生じます。

●皮膚の針反応:
皮膚の被刺激性の亢進の有無を調べるために上腕部に無菌の注射針を刺入し24-48時間後に刺した部位に発赤、膿疱の形成を認めれば陽性と診断します。



■治療:
症状が激しければ安静にして、非ステロイド消炎剤:インドメタシンIndometacin (インテバンカプセルSP25mg、37,5mg・大日本住友、インダシンカプセル25mg・万有) を内服します。アリール酢酸系が有効。
眼症状には副腎皮質ステロイド剤の点眼薬や眼球内注射、錠剤 (コルヒチン、サンディミュン、エンドキサン、シクロスポリンA)*。
口腔内潰瘍には副腎皮質ホルモン系のクリームを塗布また貼布 (アフタッチ25μg、アドコルチン軟膏0.1%、口腔用ケナログ0.1%)。 ヨード液やオキシドールの希釈液でうがい。
外陰部潰瘍で痛みがあればキシロインゼリー塗布。
  血管・神経・腸管ベーチェットには副腎皮質ステロイドの内服。(プレドニン、メチコバール、ワーファリン、サラゾピリン)

*シクロスポリンciclosporin(CYA)が処方される場合、患者が妊娠を計画している、もしくは授乳期の新生児がいる場合には、必ず主治医と相談すること。

ベーチェット病:Behcet disease・Behçet disease    再発性:recurrent   潰瘍性:ulcerative   皮疹:exanthema;rash
結節性紅斑:erythema nodosum      飛蚊症:myodesopsia    関節炎:arthritis   副睾丸炎:epididymitis







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