無料で読める家庭の医学 病気・疾患の解説、英語名、原因、症状、診断方法、治療方法、処方例などをわかりやすく記載
家庭の医学 by igaku.bz

リウマチreumatismと膠原病(こうげんびょう)collagen disease,collagenosis

「リウマチ」や「膠原病(こうげんびょう)」と呼ばれる病名は現在ありませんが、長い間用いられて来た名前です。

●リウマチと言う言葉はギリシャ語のρευγμα:レウマ「流れ・流出」に由来しています。即ち体内の悪い液が体中に流れてゆき、それが原因で体中の節々に痛みや腫れを生じさせると考えられていました。 そのことは既に紀元前4世紀にヒポクラテスHippocratesによる文中に記述されているようです。

現在は本来の意味とは異なりますが、炎症や変性また代謝異常などが原因で起こる全身の関節の痛みや腫れ、こわばり、また運動制限などを起こす病気の総称として用いられていて、リウマチ性疾患reumatic diseaseとも称してします。 しかし原因、症状、好発年齢、経過、治療法などはそれぞれで、同一視出来る病態ではありません。

現在は全身性結合組織病、脊椎関節炎、関節変性疾患、感染症、代謝内分泌疾患、新生物(腫瘍)、神経・血管系異常、骨、軟骨疾患、非関節リウマチなどとして分類されています。

●膠原病はその英語名からわかりますように、膠原とはコラーゲン即ち「膠:にかわglue」のことを意味していて、 体内の膠に近い性質をもつ膠原繊維に関する病気だとして当初は膠原病とつけられました。 (1942年クレンペラーclemperer Pらによって提唱された病理組織学的概念)
ちなみにcollagenのκολλα:コラもギリシャ語由来でにかわを意味しています。

現在では「膠原病」として臨床学的診断はなされませんが、全身的な結合組織病として 長い間用いられてきて今でも使うことがありますので一応の理解は望ましいと言えます。 かつて膠原病としてひとくくりにされていたリウマチ熱、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎、 結節性多発動脈炎の6疾患を別個の疾病として扱っています。






関節リウマチrheumatoid arthritis(RA)
成人スチル(スティル)病adult Still disease(M0610)



●関節リウマチ

■原因:
●未解明の原因不明の自己免疫疾患で関節に慢性的に症状を現す。
関節リウマチとは、以前に慢性関節リウマチと呼ばれていましたが、2002年4月の日本リウマチ学会総会で改定された病名です。 発症は成人したくらいから閉経前までの女性に多くみられますが、小児でも多少違う型で発症します。 これらは原因不明の自己免疫疾患で、好中球、マクロファージ、Tリンパ球、滑膜細胞の異常が関係しています。 以前のの名前通り慢性的で左右対称の関節に起こり、また体のいたるところに発生し、 関節をつないでいる関節嚢(かんせつのう)の内側にある滑膜がびらん性の炎症を起こす特徴があります。

間接リュウマチが進行するとやがて関節嚢の内部にある関節腔の滑液が増し、滑膜が肥厚することで軟骨などが圧迫されて壊されてしまいます。 そうなるとやがて、その破片などで関節腔が埋まって硬化してしまい、関節が曲がらなくなります。 手の指関節にこれが見られると、曲がらない部分の関節が反り返ったように硬直します。 しかし悪化の程度などは一定しているものでなく、また関節に限らずに体内の様々な組織が攻撃されてしまいます。

■症状:
症状のあらわれ方はゆっくりであったり急激な場合もありますが、進行の早さは関節の中でも最初は指先など、小さい部分から炎症が起こるのが一般的で強い痛みやこわばりを覚えます。 特に朝起きた時に30分かそれ以上特有のこわばりがあって、手先を動かしている内に和らいできます。
関節以外の症状では、肺繊維症、胸膜炎、眼科的炎症、リウマトイド結節、皮膚潰瘍、強膜炎、乾燥症候群などがあります。

●指関節が変形してもヘバーデン結節という別の病気がある
指が曲がっても必ずしも関節リウマチに罹ったわけではなく、ヘバーデン結節(指まがり症)という疾患にかかっている場合もあります。この場合リウマチ因子は陰性でX線診断での像は間接リウマチに見られる骨の吸収性びらんよりも骨棘形成や軟骨下骨硬化像などが主体に出現します。

発症部位は末節骨と中節骨の間の関節である遠位指節間関節(DIP joint)に限局するもので、中節骨と基節骨の間の近位指節間関節(PIP joint)に起こるものはブシャール結節と呼び区別されます。



■検査・診断:
関節X線写真の所見による異常、リウマトイド因子(変性IgGを対応抗原とする自己抗体で免疫グロブリンが主要素)陽生(患者の70〜80%に見られますが、稀に健常者でも陽性の場合があります。) ・赤沈(赤血球沈降速度ESR:垂直に立てた試験管内の血液中の赤血球が沈む速さを測定します) ・CRP(C反応性蛋白質試験:血清中のC反応をする蛋白質の数の検査) ・免疫グロブリンの高値などが見られます。



■治療:
●基礎療法とリハビリ
安静が基本ですが、関節が痛いからと言って動かさないままでいると固まってしまう恐れがありますので、入浴後などで 体が温まった状態で関節をよく動かしてほぐすことは自分の生活のなかで行えます。
理学療法士の指導を受けてその病状にふさわしいトレーニングメニューが組まれて行えます。関節を動かす事と筋力アップなどを 中心におこないます。運動器具はその人にあった負荷に調整できますから効果を期待できます。
●薬の療法
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)としてアスピリン、イブプロフェン、インドメタシンなど。
抗リウマチ薬その他では金製剤、ペニシラミン、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、メトトレキサート、ブシラミンなど。
●手術療法
手術の対象となるのは股関節、膝関節などで機能障害がみられる場合が主です。また頸椎の病変にも行う事があります。



●成人スチル病(成人スティル病)adult Still disease:
成人スチル病とは若年性関節リウマチの全身型を指し、Bywatersらが1971年にこの病気に関する報告(Still's disease in the adult)をしたのが由来です。弛張熱(39度以上が一週間以上)、紅斑を伴う多発性関節炎で発症の仕方は急激です。小児スチルに似ていますが咽頭痛が多発する点で小児の場合と異なります。
全身症状として肝機能障害、リンパ節腫脹、肝脾腫、胸膜炎、心外膜炎、赤血球増加なども見られます。

・急性期の治療薬と処方例
ジクロフェナクナトリウム:ボルタレンSRカプセル37.5mg・ポラプレジンク:プロマック顆粒15%
プレドニゾロン:プレドニン錠5mg・テプレノン:セルベックスカプセル50mgなど

・慢性期(慢性関節炎を含む)
メトトレキサート:リウマトレックスカプセル2mg・リセドロン酸ナトリウム水和物:ベネット錠2.5mgなど


リウマチ:rheumatism   膠原病:collagen diseases   代謝異常:metabolic disorder    関節:joint
結合組織病:collagen diseases   感染症:communicable disease;infectious diseases    代謝:metabolism
内分泌:internal secretions   新生物・腫瘍:neoplasm   神経:nerve    軟骨疾患:cartilage diseases
成人スチル病:adult Still disease   ヘバーデン結節:Heberden's nodes    遠位指節間関節:distal interphalangeal joint
近位指節間関節:poximal interphalangeal joint






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