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■原因:
不妊症とは生殖可能の年齢の男女が妊娠を希望しているもしくは避妊を行わずに性生活を営んでいても2年間妊娠がみられない場合のことをいいますが、この定義は我が国と欧米では差があり、1年間妊娠がない場合だけでも不妊症とされる国も多くあります。
また結婚生活1年間で80%が妊娠し、2年目に入って更に10%ほどが妊娠しています。それで2年を超えても妊娠のないカップルは全体の10%ほどと言うことになります。
夫婦間の年齢、家庭状況、家族計画などで時間的余裕があまりなければ、不妊症かどうかに係わらず、早い内に検査をするのが妥当だと思います。それによって別の疾患や機能上の問題が発見される場合もあります。
原因として、卵管、排卵、子宮、頸管、男性側の問題などがあり、原因の明らかでないものは機能性不妊(原因不明不妊)と呼んでいます。
■診断・治療:
検査方法と種類は、感染症検査(血算、赤沈、C反応性タンパク質:CRP、クラミジア抗体:IgG,
IgA)、内分泌検査(下垂体機能:LH・FSH・プロラクチン、黄体機能:プロゲステロン・子宮内膜組織検査)、子宮卵管造影、卵管通気検査、精液検査、フーナー検査などがあります。
●卵管因子
卵管内部に閉塞などがあるかどうかは子宮卵管造影でほぼわかります。月経終了直後に子宮頸部から造影剤を注入してからX線撮影をする方法です。
また子宮内超音波検査方法もとられ、これは検出しやすいように子宮頸部より生理食塩水を注入して子宮を膨らませてから超音波で検査します。しかし検査精度は劣ります。
・卵管癒着の治療:腹腔鏡下で癒着剥離を行い、卵管の運動性を取り戻し卵子の運搬が正常に行えるようにします。
・卵管通過障害の治療:卵管鏡下卵管形成の場合
バルーンカテーテルとその内部に挿入したフレキシブル卵管ファイバースコープを用いて卵管内を伸長し、卵管内腔癒着を剥離して卵管形成を行います。(FTカテーテルシステム)
●生殖補助技術
・体外受精:体外で卵子と精子を受精させて分割した受精卵を子宮内に胚移植させますが、受精や移植などの
タイミングには様々な方法があります。(PROST法・GIFT法など)
顕微受精は直接顕微鏡下で授精を促しますから授精効率は高くなります。この方法もいくつかあり、さまざまな意見も提出されましたが、
現在では卵細胞質内精子注入法が多くとられています。この方法は主に重症の精子減少症や精子無力症などに対して行われています。
排卵誘発→採卵→前培養と授精→初期杯までの培養→胚移植→黄体機能維持というステップで行われます
処方される薬には以下のものなどがあります。
・GnRHアゴニスト(作動薬):
酢酸ブセレリン(スプレキュア点鼻液0.15% 15.75mg10mL)・酢酸ナファレリン(ナサニール点鼻液)
酢酸リュープロレリン(リュープリン注射用1.88mg)
・hMG-hCG療法:
下垂体性性腺刺激ホルモン(ヒュメゴン 75・150単位)・胎盤性性腺刺激ホルモン(プレグニール 5,000単位)
・黄体機能維持:ジドロゲステロン(デュファストン 5mg)・プロゲステロン(ルテウム注25mg)
副作用:
卵巣過剰刺激症候群、子宮外妊娠、流産に加えて多胎(四つ児、五つ児など)があります。
●人工受精
精液または精子混濁液を子宮腔内などに人工的に注入する方法で、精液を遠心分離させた精子のみを注入する場合もあります。
精子は冷凍保存をしておいた精液を融解して用いることも出来ます。また夫の精子を用いるAIHと他人の精子を用いるAIDがあります。
不妊(症):sterility・infertility 妊娠:pregnancy 卵管:fallopian tube・oviduct 排卵:ovulation 子宮:uterus
癒着:adhesion 腹腔鏡:peritoneoscope 体外受精:ectogenesis 剥離:ablation 移植:implant
内分泌:internal secretions 下垂体:hypophysis cerebri・pituitary gland プロラクチン:prolactin
顕微受精(法):microinsemination 卵細胞質内精子注入法:intracytoplasmicsperm injection(ICSI)
人工受精:artificial insemination 子宮外妊娠:ectopic pregnancy 流産:abortion 黄体:corpus luteum
胎盤性性腺刺激ホルモン:chorionic gonadotrophin
下垂体性性腺刺激ホルモンhuman menopausal gonadotrophin
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