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慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ):chronic subdural hematoma


■原因:
●硬膜下で出血を繰り返すことで被膜された貯留血液が出来る。
慢性硬膜下血腫とは硬膜とくも膜の間に出来た被膜によって覆われた血腫のことです。 また血腫は被膜で包まれていて、そこに出来た脆弱(ぜいじゃく)な新生血管が容易に出血や滲出、漏出を繰り返す事で、血腫が大きくなり慢性化すると考えられています。

原因は完全に解明されていませんが、一般的にはお酒呑みの人や高齢者に多くみられ、 自宅や飲食店などで当人の頭を柱や家具などにぶつけて、硬膜下の血管からの出血を起こしそれを繰り返し起こすことで血腫が出来るというものです。

しかし外傷は軽微の場合、患者自身が覚えていないこともありますし、実際に外傷の経験を全くしていない場合もありますので必ずしも外傷がきっかけとは限りません。 尚、頭部打撲などの場合、怪我をしてから概ね半月〜3ヶ月の間に症状が表れてきます。 血腫は主に茶褐色から赤黒色の液状ですが、一部凝血塊なども混在する場合もあります。また、血腫の血液が再吸収された後、その部分に水分が溜まる場合があります。



■症状:
硬膜下に慢性的に存在してしまうようになった血腫は、脳を圧迫して様々な症状を呈します。
すなわち頭痛もしくは頭重感、眠気、錯乱、悪心などの頭蓋内圧亢進症状、片麻痺もしくは不全片麻痺で、進行すると意識障害も起こります。 認知症の症状と重なる場合がありますので、慢性硬膜下血腫の疑いも考慮に入れて検査をしておくべきでしょう。 放置しておくと血腫が増大し、脳が圧迫され変形してしまう脳ヘルニアをきたし、生命にかかわる重篤な病気になり得ます。



■診断:
X線CTやMRIを用います。
CTでは血腫の状態によって様々な吸収値を示し、血腫が脳実質と等級値の場合でも大脳半球の脳溝消失や圧排の状態で判断出来ます。またMRIでは血腫と脳実質との輝度の違いが明らかに表れます。



■治療:
症状がなく、血腫が脳に影響を及ぼす程成長していなければ経過観察をし、血腫部の血液が 自然吸収されれば多くの場合、治療の必要はありません。
しかし症状があって、治療すべき状態であれば外科的治療が効果的で、大きな開頭手術を行わずに治療することが可能です。

●穿頭血腫除去術
血腫中心部の頭皮を3-4cm切開して直径8-10mm程度の孔を開けて血腫を取り除きます。 またカテーテルを挿入して血腫腔のドレナージ(洗浄)を行います。 血腫が単純であれば穿頭は一カ所ですみますが、多房であったり固形成分が 混在している場合には複数の穿頭が必要になってきます。



慢性硬膜下血腫:chronic subdural hematoma   くも膜:arachnoid membrane   頭痛:headache   片麻痺:hemiplegia  
錯乱:derangement   悪心:vomiturition   認知症:dementia   脳ヘルニア:hernia cerebri   ドレナージ:drainage  






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