無料で読める家庭の医学 病気・疾患の解説、英語名、原因、症状、診断方法、治療方法、処方例などをわかりやすく記載
家庭の医学

ミオクローヌスmyoclonus ミオクローヌスてんかんmyoclonus epilepsy;ME
テタニー症候群:tetanic syndrome

■原因・症状:
●ミオクローヌスとは
不随意運動(ふずいいうんどう)involuntary movement(人の意志に関係なく体の一部が動くこと)の一種で、骨格筋の収縮が突発的に生じることで起こる身体の一部の筋痙攣(きんけいれん)のことです。例として横隔膜の筋肉にミオクローヌスが生じた場合、しゃっくりを起こします。 また、不随意運動の別の症状では口部ジスキネジー(ジスキネジア)oral dyskinesiaのように高齢者が口をもぐもぐさせたりする行為(運動)があり、これは突発的なものではなく連続的、反復的な要素も関係してきます。

このミオクローヌスは神経系の過度の興奮によって生じる陽生ミオクローヌスと、筋収縮の瞬間的停止による陰性ミオクローヌスnegative myoclonusとに分類されます。 陰性ミオクローヌスの病態では固定姿勢維持困難asterixis・アステリキスがあり、これは四肢を一定の姿勢に保つことが困難になるものです。
原因としては生理的ミオクローヌスnocturnal myoclonus、 てんかん性ミオクローヌスmyoclonic seizure、症候性(代謝性・中毒性)ミオクローヌス、口蓋ミオクローヌスがあります。

●ミオクローヌスてんかんとは
最初にウンフェルリヒト(Unverricht H,1895)とルンボルグ(Lundborg H, 1903)によって進行性家族性変性疾患として報告されましたので、ウンフェルリヒト−ルンボルグ病Unverricht-Lundborg diseaseの名前も付いています。また、家族性の疾患であることから、家族性ミオクローヌスfamilial myoclonusの別名もあり、更に別名でラフォラ病Lafore diseaseがあります。

主な症状は、ミオクローヌス痙攣(けいれん)、全般性痙攣、進行性痴呆、運動障害、視力障害、その 他が認められています。 発症頻度は希で、劣性遺伝であり、6-16歳で発症し10-20年の経過で死亡する場合が多くみられま す。 脳波上では多発性棘徐波複合(たはつせいきょくじょはふくごう)が出現します。
症状経過は次の三期に分類されます。
・第1期:痙攣発作のみられるてんかん性テタニー期
・第2期:てんかん性ミオクローニー期
・第3期:全身衰弱が認められる終末期。





●テタニー症候群とは:
テタニーとは強縮性収縮tetaniccontractionとほぼ同意語で、種々の原因で神経系の異常な興奮を起こすことにより筋が刺激を受けることにより生じます。 躯幹(くかん:胴体部)や四肢の筋肉の有痛性(痛みを伴う)の強縮や痙攣(けいれん)を主症状としたものです。
とくにテタニー症候群と呼ばれるものは血中カルシウムイオン濃度の低下が原因とされていて、四肢の内でも手指硬直があります。末梢神経系の範囲であれば重い全身症状が起きても意識は明瞭ですがこれが中枢神経にまで及ぶと全身痙攣発作とともに意識喪失も起こります。

●ミオクローヌス発作とは:
また進行性のものではないミオクローヌス発作myoclonic seizureという突発的に生じる筋収縮muscle contractionもありますので区別が必要です。 この病気は光に過敏で入眠期などに両側四肢によく発症し、また希に瞬間的な意識消失も共に生じ得ます。

発作は一時的な症状としても起こりえますが、てんかん(癲癇)と呼ばれる場合は 脳の慢性疾患のことで難治性的要素を多く含んでいると言えます。



■治療薬:
以下のいずれかを用います。
・クロナゼパムclonazepam(リボトリール錠0.5mg;中外)。2-12錠。分1-3。少量から開始し、徐々に増量して適量を見極めるようにします。
・バルプロ酸ナトリウムsodium valproate;VPA(デパケン錠100mg;協和醗酵)。3-12錠。分3.。 400mg/日(分2)から始め、徐々に増量し600-1200mg/日を維持量として見極めるようにします。
・カルバマゼピン(テグレトール錠100mg;チバガイギー−ノルバティス)。3-6錠。分2-3。1-2錠から始め、一週間に1-2錠ずつ増量してゆきます。

副作用として、いずれもふらつきや眠気、まためまいに注意します。

ミオクローヌス:myoclonus  ミオクローヌスてんかん:myoclonusepilepsy   不随意運動:involuntary movement
筋痙攣:muscle cramp  筋収縮:muscle contraction  横隔膜:diaphragm   口部ジスキネジア:oral dyskinesia
固定姿勢維持困難:asterixis  生理的ミオクローヌス:nocturnal myoclonus   てんかん性ミオクローヌス:myoclonic seizure
ミオクローヌス発作:myoclonic seizure  家族性ミオクローヌスfamilial myoclonus   テタニー:tetani  強縮性収縮:tetanic contraction  







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