無料で読める家庭の医学 病気・疾患の解説、英語名、原因、症状、診断方法、治療方法、処方例などをわかりやすく記載


風邪・発熱・悪寒・悪寒戦慄

■原因:
風邪は感冒もしくは風邪症候群・急性上気道炎とも呼ばれていて、鼻や咽頭、また気管支などに起こる急性の呼吸器感染症の総称です。 その原因はウイルスで種々のものが存在していて、ライノウイルス、パラインフルエンザウイルス、 アデノウイルス、コロナウイルスその他が数多くあります。

なかでもライノウイルスrhinovirusは100種以上の亜型がありますからその特定は困難です。 ライノrhino-は鼻を意味する連結語でギリシャ語に由来し、アデノウイルスadenovirusのアデノadeno-は腺を意味しています。 それぞれのウイルスは季節によって影響力が異なり、ライノウイルスは春や秋のかぜの原因になり易いです。

感染経路:
菌を持って風邪をひいてる人のくしゃみや咳の際にでる飛まつ、または手などの体同士の 皮膚接触などで感染します。



■症状:
鼻、咽頭、気管支のどの辺りからも症状としてあらわれます。 普通感冒と呼んでいるかぜの症状は大体感染してから1〜3日の間に症状があらわれ、くしゃみ、鼻水から始まり、くしゃみは最初の頃だけの場合が多く、鼻水はやがて粘性を増して色も黄色くなり、 やがて鼻詰まりを起こします。しかし39度を超す高熱は出ません。
しかしアデノウイルスによるかぜは咽頭炎をおこし、更に全身症状として倦怠感、筋肉痛、頭痛、悪寒などを伴い、39度以上の高熱が出ます。

●インフルエンザと風邪の違い
インフルエンザも風邪の一種ですが、風邪症候群(上気道粘膜の急性カタル性炎症の総称)の典型的症状である鼻や咽喉の痛みや炎症、微熱程度の病態とは異なりインフルエンザはインフルエンザウィルスの強い感染力により全身症状を起こしますから高熱、激しい頭痛、腹痛、嘔吐なども起こります。

インフルエンザ・ワクチン   インフルエンザの薬タミフル・リレンザ・シンメトレル

●発熱(はつねつ)
発熱とは平温を超えて高い体温になった状態のことで主に三分類されており、微熱:37℃代、中等度発熱:38℃代、高熱:39℃以上とされています。
更に1日1℃以上の熱変化を起こすものを弛張熱(しちょうねつ)、熱の上下が一度以内で、体温が常に38.0℃以上のものを稽留熱(けいりゅうねつ:熱が一定でとどまること)、 平熱も現しながら間欠的(時々、周期的に)に発熱するものを 間欠熱と呼んでいて、様々な疾患により特徴をなしていますから、診断のポイントになります。





●悪寒(おかん)
悪寒とは発熱の初期に起こす、ぞくぞくするような病的な寒気(さむけ)のことです。それで単に気温が下がった時などに健康な人が寒気を感じる場合とは異なり、室温が十分暖かい場合でも悪寒は生じます。
しかしいずれにせよ人体に寒気というサインが出されると、人は身を暖かくするため室温を上げたり衣服を厚めにしたり温かい飲み物を飲んだりするなどするいわゆる、温熱獲得行動をとり体を冷えから守ろうとします。

●発熱と悪寒
白血球は病原微生物を認識すると内因性発熱物質を産生し、これが脳に作用することによって発熱を起こし、微生物から体を守ろうとします。 脳内のニューロン群のうち暖かいと認識するものの活動は抑制され、寒いと認識するものの 活動が亢進(こうしん)します。その結果体温調整の基準温度が上昇(普通概ね37度Cを越える) することで発熱初期に寒気を感じるものとされています。

●悪寒戦慄(おかんせんりつ)
悪寒戦慄とは発熱初期に起こる悪寒に加えて身震い(みぶるい)もしくは震え(ふるえ)も起こるもので、骨格筋が等尺性の収縮をすることで生じます。これは筋肉の運動が全て熱転換されるため、体内の自律的熱生産としては効率のよいものです。



■治療:

●軽度の風邪であれば副作用も考え薬を服用するかやめるか考えてみる。
 ウイルス感染を根源から治す抗ウイルス薬は存在しない。

かぜは大体7日で治ります。薬を飲んでも飲まなくても同じくらいの期間で治ります。 しかし薬は単なる対症療法であって熱を下げたり頭痛を抑えたり咳を止めたりなど苦しさを軽減する目的で有効ですが、薬で症状が収まったからといって治ったわけではありません。

症状がそれほど苦痛ではなく、風邪薬の副作用(職務中の眠気・胃の不快感や便秘など胃腸の変調など)が気になるのであれば薬の服用を控える方法も選択肢のひとつとして考えてよいでしょう。

●栄養と水分摂取・安静・睡眠・うがい・手洗いが大切。
食欲があって胃腸の具合が良ければ消化しやすい食事をとり栄養を十分に補給すべきです。 また発熱の際、脱水症状になりやすいので水分補給をこまめにすべきです。
その際、吸収のし易い市販のスポーツドリンクを2倍希釈程度に薄めて飲用するのも有効です。


暖かい部屋で適正な湿度を保ちながら身体を暖めて休養睡眠をとり、アルコールは薬の効果に影響を与えますから控えるようにします。
またうがいや手洗いも重要です。鼻汁が出るなら小まめに鼻をかむことは必要ですが強くかまないようにすべきです。



風邪:cold  感冒:common cold   発熱:pyrexia  悪寒:tremor,chill   悪寒戦慄:shivering, chill with shivering
呼吸器感染症:respiratory tract infection    アデノウイルス:adenovirus   ライノウイルス:rhinovirus
咽頭炎:pharyngitis   稽留熱:continued fever 






HOME